空き家の法律|自治体の空き家対策とは

空き家の法律「空家等対策の推進に関する特別措置法」では、所有者と同様に自治体も空き家を適切に管理する義務があると定めています。その目的は、地域住民の住環境を守り空き家の活用を促進することにあります。その責務の一環として、自治体は空き家の立入調査をしたり行政代執行による解体などの措置を講じることが法律で認められています。
ここでは、自治体が行う空き家対策について手順を追って説明したいと思います。

空き家の立ち入り調査と特定空き家の認定基準

「空家等対策の推進に関する特別措置法(以下、空き家対策特別措置法)」では、自治体がまずは空き家の実態把握のために立入調査を実施することを認めており、所有者には立ち入り調査の実施5日前までに通知する必要があるとしています(ただし、通知が難しい場合は通知する必要がないことも認められています)。そしてこの立ち入り調査によって、次のような状態にあると認められた空き家を「特定空き家」に認定するとしています。
※自治体による立ち入り調査を拒んだ場合は、最大で罰金20万円が科されますので注意が必要です。

特定空き家の認定基準
● そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
● 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
● 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
● その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

特定空き家に認定した空き家については、自治体は国土交通省が発表したガイドラインに基づき、空き家の情報(所在地、現況、所有者等の氏名など)をデータベース化し、所有者に対して空き家を適切に管理するよう継続的にフォローします。またそのフォローの内容や履歴も合わせて記載することが定められています。

空き家所有者への助言又は指導

特定空き家に認定した空き家の所有者に対して、自治体が行うはじめのフォローは「助言」または「指導」です。所有者の能動的な問題の解決を促します。助言または指導の内容は、該当する特定空き家がどのような状況にあり、周辺住民の生活環境にどのような悪影響を及ぼしているのか説明した上で、特定空き家の修繕や木の伐採などの措置を示します。
所有者が助言または指導に従わない場合は、自治体は勧告を行う可能性があること、そして勧告を受けた場合は固定資産税(地域によっては都市計画税も)に適用される住宅用地特例の対象から外れることも事前に告知することが義務付けられています。

空き家所有者への勧告と住宅用地特例

自治体が助言または指導を行っても状況が改善がなされない場合は、所有者に「勧告」を行います。勧告を受けると、固定資産税や都市計画税に適用されている住宅用地特例の対象から外れ、負担する税額が増えます。住宅用地特例の内容とその金額面での影響については次のとおりです。

<住宅用地特例について>
空き家を含む住宅などの不動産がある住宅用地に対して、固定資産税や地域によっては都市計画税を軽減する特例のことをいいます。200平米未満の住宅用地であれば固定資産税は課税標準の6分の1、都市計画税は3分の1となり、200平米を超えた部分はそれぞれ課税標準の3分の1と3分の2となります。

200平米の土地に住宅が建っていて、土地と住宅の課税標準額と税率が次のような場合、固定資産税と都市計画税の計算式は次のとおりです。
土地の課税標準額:3,000万円
住宅の課税標準額:1,200万円
固定資産税の標準課税率:1.4%
都市計画税の標準課税率(上限):0.3%
※都市計画税は課税される地域とそうでない地域があります。また税率は自治体によって異なります。

<住宅用地特例が適用される場合>
土地に課税される固定資産税:3,000万円×1/6×1.4%=7万円
住宅に課税される固定資産税:1,200万円×1.4%=16万8千円

土地に課税される都市計画税:3,000万円×1/3×0.3%=3万円
住宅に課税される都市計画税:1,200万円×0.3%=3万6千円

合計:30万4千円

<特例空き家に認定され自治体から勧告を受け、住宅用地特例が適用されなくなった場合>
土地に課税される固定資産税:3,000万円×1.4%=42万円
住宅に課税される固定資産税:1,200万円×1.4%=16万8千円

土地に課税される都市計画税:3,000万円×0.3%=9万円
住宅に課税される都市計画税:1,200万円×0.3%=3万6千円

合計:71万4千円

住宅用地特例の有無で税金が2倍以上異なり、その費用負担は大きなものであることが分かります。

空き家所有者への命令と行政代執行

特定空き家の所有者が、勧告にも応じない場合は、必要な措置を講ずるよう自治体から「命令」がなされます。
所有者が命令に従わない場合は、最大50万円以下の罰金が科されるほか、自治体が所有者の代わりに必要な措置を講ずる行政代執行がなされることになります。
例えば、問題となった近隣の住宅へ侵害した木々の撤去や、建物の基礎が破損や腐敗によって崩壊の危険性がある場合などは建物の解体をすることもあります。

この行政代執行で発生した費用は、空き家の所有者へ請求され、支払いを拒否した場合、税金の滞納と同じ扱いになります。自宅などの資産を差し押えられることもあり得るため、このような事態にならないよう、事前にしっかりと空き家を管理し対策することが賢明といえるでしょう。

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