空き家問題は首都圏の方が地方より深刻?

全国の空き家率は2013年(平成25年)時点で13.5%を超え、実に7軒に1軒が空き家となっています。こうしたことから、空き家問題は日本社会全体の問題であると一般的には認識されつつも、イメージとしては高齢化と過疎化がセットでやってくる地方特有の問題と考えがちです。ところがこれは大きな間違いなのです。実は、空き家問題は地方よりも首都圏の方がより深刻化しているといわれていますが、一体なぜなのでしょうか。

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首都圏の空き家事情

首都圏の空き家事情を見ていきましょう。
東京都で言えば、豊島区や太田区、武蔵野市などでは空き家率が15%近くまで上昇しています。また、いわゆる別荘地の空き家率は、栃木県の那須町では約50%と2軒に1軒、神奈川県湯河原町では30%以上と3軒に1軒が空き家という、驚くべき空き家率になっています。首都圏の空き家率は年々上昇し、都内で言えば、2013年(平成25年)の時点では11.1%(全国平均13.5%)、空き家戸数は80万戸を超えています。
全国の方が空き家率は高いため、地方の空き家問題がより深刻化しているのではないかと思うかもしれませんが、実はそうとは限りません。首都圏の場合、空き家の増え方に問題があるのです。

首都圏の空き家が増える背景

首都圏ではそれぞれの中心都市から少し離れた、郊外の空き家率が非常に高くなっています。先ほど事例に上げた大田区なども、いわゆる郊外にあたります。ではなぜ、こういった郊外の空き家が増えているのでしょうか。その背景には、かつてこれらの地域で積極的に宅地開発が行われ、住宅が飛ぶように売れていった結果、図らずとも同じような年代の世帯が一度に多く移り住んだという事実があります。
多摩ニュータウンの開発や高島平団地のマンション開発、聖蹟桜ヶ丘や田園調布の宅地開発などが行われてから約50年がたち、街も住んでいる彼ら自身も歳を重ね、かつて働き盛りだった30代から40代の人々が後期高齢者となり、死亡や移住、その他の理由で次々と自宅を手放さざるを得ない状況になっているわけです。

しかも、子の世代はすでに自宅を持っているケースも多いのが実情です。街の中心から離れた郊外にある住宅街からは、駅までの道のりもそう容易なものではありません。坂の上にあるケースも多く、バスを利用しなければ通勤も買い物でさえも不便という立地的なマイナス要素もあり、新しく移り住むと言う選択肢もなかなか生まれにくいでしょう。
親世代から子世代へと不動産の権利が変わっていく中で、子ども世代が相続した実家を活用することができなければ、必然的に空き家は増え続けていきます。実家が空き家になっている例は今では決して珍しく無くなっています。
このようにかつて活気のあった団地や憧れの的だった高級住宅街は今、空き家地帯へと変貌しつつあるのです。

首都圏行政機関の空き家問題への取り組み

行政機関による空き家対策は、その空き家問題が表面化し、多くの地方自治体で空き家管理条例の制定・施行が行われたのをきっかけに、急速に進んでいます。
空き家管理条例には崩れそうな空き家など、いわゆる「問題空き家」の管理者に対し、指導、勧告、命令、代執行が行えるという内容になっています。

この他にも、自治体独自で空き家に関する実態調査を行い、空き家対策の施策づくりに利用できるデータを集めている例(福生市、三鷹市)などもあります。

横浜市では、2013年(平成25年)時点で空き家率は10.1%と全国平均より低い水準ですが、住宅戸数が多いため、空き家の総数は17.8万戸に上り、他の自治体よりも多くなっています。
横浜市では、2015年(平成27年)8月に横浜市空家等対策協議会を設置し、「横浜市空家等対策計画」作成を進めており、「空家化の予防」「空家の流通・活用促進」「管理不全な空家の防止・解消」、「空家に係る跡地の活用」を取組の柱としながら、空き家対策を進めています。

このように行政機関による空き家問題への取り組みは、今後ますます増えていくでしょう。

まとめ

空き家問題は、今や地方だけの問題ではなく、首都圏でも深刻化しています。他人事と考えずに、首都圏に住んでいても起こり得る問題であると認識し、行政機関の空き家問題への取り組みに注目してみるとよいでしょう。

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