空き家対策|空き家を売却して譲渡所得の特別控除を受ける

実家から相続した空き家を売却したいと考える所有者は少なくないでしょう。空き家を売却するにあたり、税金は事前に知っておきたいポイントです。通常、空き家を売却すると譲渡所得税が課税されますが、2016年度(平成28年度)の税制改正で新しく紹介された特別控除が適用されれば、譲渡所得から3,000万円が特別に控除されます。

空き家の処分|空き家の売却と税金 譲渡所得について

空き家を含め、不動産を売却をすると所得が発生します。これを譲渡所得といいます。譲渡所得の対象になるものは、土地や建物などの不動産のほか、株式やゴルフの会員権などがあり、これらを売却して得た利益(売却して得た利益)から経費(売却した建物を取得するための費用や売却のための不動産屋への仲介手数料など)を引いた金額が譲渡所得です。そしてこの譲渡所得に税率をかけたものが支払う税金、すなわち譲渡所得税となります。

譲渡所得=空き家を売却して得た利益-経費
譲渡所得税=譲渡所得×所得税率

譲渡所得税の税率には2パターンあり、空き家の所有期間が5年以下の場合と5年を超える場合とに分けられます。
●パターン1 所有期間が5年以下の場合
 所得税30% 住民税9%
●パターン2 所有期間が5年を超える場合
 所得税15% 住民税5%

※上記に加え、2013年(平成25年)から2037年(平成49)年までは、復興特別所得税の2.1%が所得税と併せて課税されます。

空き家の所有期間の起点となる取得日は、被相続人が取得した日となるため、通常所有期間は5年を超える場合がほとんどと思われます。そのため、下記にパターン2の計算式を例に挙げてご説明したいと思います。(以下、国税庁「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」ページを参考)

『30年前に購入した土地、建物の売却価格が1億4,500万円、売却にかかった経費の合計1億500万円の場合』
譲渡所得=1億4,500万円-1億500万円=4,000万円

<譲渡所得4,000万円にかかる税金の計算式>
1. 所得税:4,000万円×15%=600万円
2. 復興特別所得税:600万円×2.1%=12万6,000円
3. 住民税:4,000万円×5%(住民税)=200万円

1.~3.を合わせると、税額は812万6,000円となり、かなりの負担です。しかし、年々深刻化する空き家問題を受けて、空き家問題の解消のために、2016年度(平成28年度)の税制改正によって、条件を満たせば空き家売却時の譲渡所得から3,000万円の特別控除ができるようになりました。
さきほどの例にこの特別控除が適用される場合の税金を計算してみます。

譲渡所得=1億4,500万円(売却価格)-1億500万円(経費)-3,000万円(特別控除)=1,000万円

<譲渡所得1,000万円にかかる税金の計算式>
1. 所得税:1,000万円×15%=150万円
2. 復興特別所得税:150万円×2.1%=3万1,500円
3. 住民税:1,000万円×5%(住民税)=50万円

1.~3.を合わせると203万1,500円となり、特別控除が適用されない場合と比較すると約600万円もの減額となります。

空き家の処分|空き家の売却に特別控除が適用されるには①

空き家を売却したからといって全ての場合に特別控除が適用されるわけではありません。3,000万円の特別控除が適用されるにはいくつかの条件があります。主な条件をあげると下記のとおりです。
・被相続人が1人暮らしだったため、相続発生により空き家になった
・昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること
・売却が決定するまで空き家であること(誰かが住んだり貸付などを行わない)
・売却額が1億円以下であること
・売却の際の家屋は現耐震基準に適応するものであること
といったものになります。

現行の耐震基準に適合していない空き家については、耐震リフォームをして譲渡するか、もしくは取り壊して更地にした後に譲渡する必要がありますが、特例の適用を受けるために費用をかけて工事を行うか、適用を受けずに売却するかは十分に検討する余地があるでしょう。

空き家の処分|空き家売却時に譲渡所得の特別控除が適用されるには②

特別控除の適用を受けるには、期間の条件も満たす必要があります。譲与所得の特別控除を受けるには2つの条件が設定されています。
1つ目の条件は相続日から3年後の12月31日までの売却であるということです。例えば相続日が2014年(平成26年)9月であれば、2017年(平成29年)12月31日までに売却する必要があります。
2つ目の条件は、2019年(平成31年)12月31日までに売却することです。この特別控除は特例のため、2019年(平成31年)12月31日が最終期限と定められています。

譲渡所得に対して特別控除が適用されれば、大きな税負担の軽減となることが分かりました。もし所有している空き家が条件を満たす場合は、期間内の売却を検討することがオススメです。詳しくは国税庁のこちらのページも参考にしてみてください。


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